めぞん一刻とは?
『めぞん一刻』は、1980年〜1987年にかけてビックコミックスピッツで連載されていたラブコメディー漫画です。
作者は「うる星やつら」や「犬夜叉」などで知られる高橋留美子先生です。
元々は中学生の頃にアニメを見てこの作品を知りました。
平成生まれの僕ですが、『めぞん一刻』の昭和の雰囲気がすごい好きなんですよね。
『めぞん一刻』は間違いなく昭和を代表するラブコメディー漫画です。
高橋留美子先生といえば、「うる星やつら」のようなファンタジーコメディーなイメージが強い漫画家ですが、『めぞん一刻』は、普通の人たちの淡い恋愛をコミカルを交えて描いた作品です。
ではまずあらすじを紹介していきます!
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あらすじ
一刻館という古いアパートに住む浪人生の五代裕作は、住人たちが毎日自分の部屋で宴会を行うなど、劣悪な住環境に嫌気がさし一刻館を出ていくことを決意する。
それを引き止める一刻館の住人たちだが、そんな時に新しく管理人なった音無響子が現れる。
響子に一目惚れした五代は一刻館を出ていくのを取りやめる。
その後、響子の気を引こうとする五代だが響子が未亡人だということを知る。
響子は亡くなった夫を引きずっており、五代の気持ちに気付きつつも素知らぬ態度ではぐらかしていたが、次第に響子の中で五代の存在が大きくなっていることに気づく。
五代に対してヤキモチを焼いたり嫉妬したりする響子だが、五代以外にも響子に思いを寄せる人物・三鷹も現れ三角関係に。
五代と響子を中心とした恋愛は、周囲の人たちを巻き込みながら進んでいく。
登場人物
物語の主人公で一刻館の5号室の住人。一刻館の中では、唯一の常識人であると本人は考えている。優柔不断な性格で一刻館の住人のおもちゃとして扱われている。
一刻館の管理人。容姿端麗で理想的な女性だが、嫉妬深いところがありめんどくさい性格の持ち主。夫を亡くし未亡人である。
テニスクラブのコーチをしており、イケメンの御曹司。響子のことが好きな五代の恋のライバル。
一刻館の1号室の住人。夫と小学生の息子・賢太郎と3人暮らし。大のお酒好きで宴会好き。陽気で噂好きな性格。
一刻館の4号室の住人。職業、年齢不詳の謎の人物。感情の起伏が少ないが最も荒唐無稽な行動を起こす人物。五代のことを気に入っている。
一刻館の6号室の住人。住人の行きつけの喫茶店・茶々丸で働いている。いつも一刻館内をスケスケのパジャマ姿で歩いている。
五代の元バイト先の同僚で、偶然の再会から五代のガールフレンドになる。
三鷹とお見合いの席で出会い、三鷹に一目惚れする。お嬢様。犬好きで天然な性格の持ち主。
めぞん一刻の見所は?
登場人物たちの三角関係
物語のメインは五代と響子のラブストーリーですが、この2人以外にも多くの恋愛関係があり、それが三角関係となっていることがこの作品の魅力にもなっています。
まず五代と響子の間に三鷹という強力なライバルが存在します。三鷹はイケメンで金持ちの人気な男なので、響子もたびたびの三鷹の積極的なアプローチに心が動かされます。
五代は、こずえという元バイト先の同僚だった子とひょんなことから付き合っており(当時でいうガールフレンド)、物語の途中には八神いぶきという女子高生も五代のことを好きになり積極的にアタックしてきます。
響子は、五代と三鷹のアプローチで心は揺れますが、亡くなった夫・惣一郎に対しての忘れられない愛情のため、なかなかの次の恋愛に進むことができません。
どの恋愛もなかなか進展しないもどかしさと、お互いが好きだからこそ生じる嫉妬やトラブルが『めぞん一刻』の見所になっています。
響子のめんどくさい性格
ヒロインの響子の性格もこの作品を名作としている要因です。
響子は未亡人であるがゆえに亡くなった夫に対する操のため、五代や三鷹の好意になかなか応えることができません。
その割には、2人が別の女性と仲良くしている姿を目撃すると嫉妬し、途端に不機嫌になってしまいます。
お互いが交際しているわけではないのに、ヤキモチを焼いたり嫉妬したりする響子のめんどくささが『めぞん一刻』をさらに面白く魅力的なストーリーにさせています。
最終回あらすじ(ネタバレ)
親の決めた婚約者である明日菜との婚約を進められていた三鷹は、明日菜との婚約を破棄するべく、響子との仲を進展させようと積極的に行動していきます。
響子を呼び出し、ホテルに部屋を取り響子に自分を選ぶよう決断を迫ります。
しかし響子は謝罪してその場を立ち去ります。
完全に振られたと思った三鷹はヤケ酒をして自宅マンションに帰ると、マンション前で待っていた明日菜を見つけます。
明日菜との会話で明日菜が妊娠していると勘違いした三鷹は、正式に明日菜にポロポーズをします。
五代と喧嘩をし一刻館を出て行ってしまった響子の代わりに、一刻館の管理人をしていた五代ですが、ある日朱美からお金がないからホテルまで迎えにきて欲しいと頼まれます。
迎えに行った五代と朱実がホテルから出てきた瞬間を目撃してしまったこずえは、大きなショックを受けます。
後日誤解だと説明しますが、その時に五代は別に好きな人がいると伝え、こずえも別の人と結婚することを決め立ち去っていきます。
他の恋愛が解決し2人はやっと恋人同士になります。五代は保育園への就職も決まり響子へプロポーズを決意します。
そんな時、響子の父親が風邪で寝込んでいると連絡があり響子は実家に戻りました。
そこで五代との結婚を考えていると両親に伝えますが、寝込んでいる父は反対しこっそり五代の様子を見に伺います。
キャバレーでバイトをしていた五代を見つけ、結婚して半年で夫を無くした響子のことを見ていられなかったと胸の内を話します。
その後響子も合流し、そのまま体調不良で倒れてしまった響子の父を背負いながら一刻館に帰ります。
帰る途中、心配している父親を五代が背負いながら響子にプロポーズをします。
「結婚してください…泣かせるようなことはしません…残りの人生を俺にください」
その言葉を聞いて響子は、
「お願い…1日でいいから、あたしより長生きして…」
「もう、ひとりじゃ、生きていけそうにないから…」
と今までの悲しみから出た響子なりの返事をして、めでたく2人は結婚することになります。
2人はその後、娘の春香を授かり一刻館に戻ってくるところで物語は終わります。
名作すぎる。。。
まとめ
『めぞん一刻』の素晴らしいところは、複雑な人間関係がありながら、最終的にみんながパートナーを見つけハッピーエンドになるところだと思います。
その中でも付き合ってもいないときからずっと好きでい続けられる淡い恋愛観は、何か大事なものを失っているような現代に、大切なものを思い出させてくれるような気がします。
読者自身も一刻館の住人になったような昭和の青春を、『めぞん一刻』を読み返すことでもう一度味わってみてはいかがでしょうか。
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